医療機関、特にクリニックや病院の特徴は、患者の診療と治療を提供するために、高度な専門知識と技術を要することです。医療サービスの提供には、医師や看護師、その他の医療従事者の適切なマネジメントが不可欠です。また、患者との信頼関係を築くことが重要であり、診療記録や個人情報の管理が厳格に求められます。

さらに、医療機関は法的な規制や基準に従う必要があり、医療過誤や訴訟リスクの管理が常に求められます。医療機器の導入や薬品の管理、衛生基準の維持など、日常業務のあらゆる面で法令遵守が必要です。また、医療保険制度に関連する規定や、労働法に基づく従業員の労働環境の整備も欠かせません。

そのため、顧問弁護士による専門的な法的アドバイスとサポートが不可欠となります。

Ⅰ 医療機関で顧問弁護士が必要になる場面

医療機関で顧問弁護士が必要となる場面は、大きく分けて次のケースが挙げられます。

  • 患者およびその家族とのトラブル
  • 一緒に働くスタッフとのトラブル
  • 厚生局の調査
  • 医療関連の法改正への対応

それぞれの内容について詳しく解説しましょう。

1 患者やご家族とのトラブル

医療で起こりうるのが、患者やご家族とのトラブルです。手術の内容や医療費など、実際に発生している問題は多岐にわたります。

医療費の未払い問題への相談

顧問弁護士が必要となるのは、医療費の未払い問題を相談する場合です。債権回収は、顧問弁護士の名前で督促状を送付できます。

督促状を送っても効果が見られない際には、訴訟に移るケースもあるでしょう。顧問弁護士がいれば、これらの手続きに関する相談も可能です。

モンスター患者問題への相談

医療を提供する中で、頭を悩ませるのがモンスター患者です。モンスター患者の例として、以下の人物が挙げられます。

  • 小さいミスを執拗かつオーバーに責め続ける
  • 医療器具を壊す
  • 脅迫や暴行を繰り返す

このような人物を放置していたら、スタッフのみならず周りの患者にも悪影響をもたらします。顧問弁護士にできる限り早く相談し、問題を解決できるようにしましょう。

医療ミスへの相談

医師が気を付けていても、医療ミスが起こるケースはあるでしょう。仮に医療ミスが発生した場合、医療機関は次の責任を問われる可能性があります。

責任概要
民事上の責任購入費の代償
休業損害補償
逸失利益(将来得られたはずの利益)の補償
刑事上の責任業務上過失致死傷罪など
行政上の責任業務停止処分(適用されるケースは少ない)

顧問弁護士は過失割合を算定し、不当に損害賠償を請求されないように対策を講じます。

2 スタッフとのトラブル

病院やクリニックも、ほかのスタッフとトラブルになる危険性は十分あります。ここでは顧問弁護士との相談が必要になるケースを中心に紹介しましょう。

残業代未払いへの相談

医師は年俸制を採用しているケースが多いものの、残業代が発生しないわけではありません。固定残業制を採っているところもありますが、当該残業代に含まれている時間以上の仕事をした場合、差額分の支払いも必要です。ルールを破ると、立ち入り調査の対象にもなるので顧問弁護士とともに見直しましょう。

パワハラ、セクハラへの相談

医療機関には医師や看護師、理学療法士および作業療法士、事務員などとさまざまな立場のスタッフがいます。これらの人々が関わる中で、ハラスメントには十分に注意しなければなりません。顧問弁護士を雇いつつ、研修会を開くなどしてスタッフにもハラスメントについて学ばせましょう。

労災事故に関する相談

医療は緊急の患者を診断することもあり、激務となりやすい仕事です。疲労が重なってしまうと、勤務中に倒れたり不注意でケガしたりする場合もあります。このような事故に備えて、労基署の手続きについて相談できる顧問弁護士を探しておくのをおすすめします。

解雇や退職に関する問題への相談

医療機関においても、問題を抱えているスタッフが何人かいるでしょう。仮に大きなトラブルを起こした際には、解雇や退職勧奨の手続きを採ることも考えられます。ただしこれらの手続きは裁判沙汰に発展しやすいので、あらかじめ顧問弁護士と相談したほうが賢明です。

3 厚生局による調査

医療機関の業務においては、厚生局からの個別指導や立入検査に対応しなければなりません。主な調査方法とともに、顧問弁護士の重要性を解説しましょう。

個別指導への相談

個別指導とは、厚生局が医療機関や保険医に適切な診療を行うように指導することです。指導にもさまざまな種類がありますが、まず押さえないといけないのが新規個別指導です。

こちらは開院後1年以内を目安に実施され、仮に不正が見られたら戒告処分や取消処分が下されることもあります。個別指導には顧問弁護士も帯同できるので、心強いサポーターとなるでしょう。

立入検査への相談

立入検査は人員や医療機器を適切に管理しているかを、保健所が確認・指導するのが目的です。病院は年1回、有床診療所では3〜4年に1回のペースで行われます。顧問弁護士を雇っていれば、監査機関との対応もサポートしてもらえます。

4 医療関連の法改正

医療は医療法のみならず、さまざまな法律に関わる仕事です。これらの法改正に対応するのは難しいため、顧問弁護士から随時情報を得るようにしましょう。

個人情報保護法の相談

医療機関は、患者やスタッフの個人情報を管理する立場にあります。第三者への提供や事務処理の方法など、細かい手続きが法改正によって変わるかもしれません。

また仮に情報漏洩が発生した場合、個人情報保護委員会への迅速な手続きが必要です。個人情報を巡るトラブルに備えるためにも、顧問弁護士にしっかりと相談してください。

医療広告法務の相談

医療機関は一般企業と性質が異なり、景品表示法とは別に医療法で広告に関して規定されています。

医療法には、この法律で認められた項目以外はテレビCMなどで広告できない旨が定められています。平成30年6月の法改正では、医療機関の運営しているWebサイトも規制対象となりました。

一方で、景品表示法でも効能や治療の効果に関する広告を厳しく規制しています。不当な広告を出さないように、顧問弁護士からしっかりとアドバイスを貰いましょう。

医療機器や医薬品に関する法的問題の相談

医療機器および医薬品(医薬品等)に関しては、薬機法で細かくルールがまとめられています。医薬品等の品質や使用方法に問題があれば、行政処分や課徴金の対象となるケースもあります。顧問弁護士と相談しながら、健全な経営ができる体制を整えてください。

5 医療機関の経営支援

医療機関の経営をサポートするのも、顧問弁護士が持つ役割のひとつです。場面ごとの顧問弁護士の役割を解説しましょう。

医療関連契約の作成や確認

医療機関は賃貸借契約や業務委託契約、経営引継契約などとさまざまな契約を結ぶことがあります。その際には一般的に契約書でやり取りしますが、作成内容に不備があると思わぬトラブルが起こりかねません。契約書の作成やリーガルチェックに強い顧問弁護士へ依頼し、問題なく契約を交わせるようにしましょう。

医療機関の開設や運営に関する法的相談

医療機関を設立する際には、都道府県への認可申請や設立登記といった手続きが必要です。一般的に前者は行政書士、後者は司法書士の業務になりますが、これらは全て弁護士も対応できます。ほかの法律問題も併せて相談できるので、顧問弁護士への依頼を検討してみましょう。

医療機関の事業承継や相続に関する法的相談

高齢の医師が抱える悩みのひとつに、子どもへの事業承継や相続が挙げられます。相続は手続きの期限が短いため、開始する前に準備を進めないといけません。財産分与や相続税対策など、できる限り早めに顧問弁護士へ相談するとよいでしょう。

医療機関の破産や再生、M&Aの相談

経済的な事情などにより、医療機関が次の手続きを採ることも考えられます。

  • 破産手続き
  • 民事再生
  • M&A(買収)

患者の治療も抱えている中、これらの手続きをスムーズに進めるのは簡単ではありません。特に破産は患者にも大きな負担が及ぶので、顧問弁護士と相談してその他の再生手続きやM&Aを優先させたほうが賢明です。

6 その他

医療業務も、インターネット関連のトラブルに巻き込まれやすいといえます。具体的に起こりうるトラブルについて紹介しましょう。

ネット上の誹謗中傷の相談

現代は、インターネットで気軽に口コミを投稿できる社会です。事業を続けていると、「医療ミスした」「ヤブ医者」といった事実無根の書き込みに悩まされる可能性もあります。弁護士の手を借りれば、投稿の削除や投稿者への法的措置をスムーズに進められます。

風評被害への相談

多くの人がSNSを使用している中、誤った情報が拡散される恐れもあります。このような風評被害は、経営に著しいダメージが及ぶため放置してはいけません。スタッフの名誉を毀損されるケースもあるため、なるべく早めに顧問弁護士へ相談しましょう。

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Ⅱ 青山東京法律事務所の強み

医療機関向けの顧問弁護士を探しているのであれば、青山東京法律事務所も検討してみてください。

私たちの強みや弁護士の特徴について詳しく紹介します。

経験豊富な弁護士が在籍

青山東京法律事務所の強みは、人生経験の豊富な弁護士が在籍していることです。弁護士は合計で3名在籍していますが、全員が弁護士以外の仕事を経験しており、幅広い分野で活躍した過去があります。

そのためあらゆる観点から、法律のトラブルに対処できるのが特徴です。3名の弁護士それぞれに得意分野があるので、一度相談したうえで顧問弁護士の配置を考えてみてください。

Ⅲ 医療機関の解決事例

医療機関で最近よくある問題ですが、スタッフを採用したが、すぐにやめてしまうという事態があるクリニックで生じていました。退職を止めることはできないとしても、人材紹介会社に支払った報酬を取り戻せないかという相談でした。契約書を拝見したところ、確かに3か月を経過していれば、報酬の返還を求めることはできないという文言になっていたので、この時は報酬の取戻しをあきらめざるを得ませんでした。しかし、将来については、報酬の取戻し期間を延長してもらうことで合意をしていただきました。

通院歴が3年ある患者から執拗な売り込みを受けて、あるクリニックがコンサルティングを頼みました。ところが、コンサルティングが始まってみると、出てくる提案書は箸にも棒にもかからないものばかりで、まったく能力が不足していることが分かりました。クリニックから相談があったので、弁護士は契約を債務不履行により解除し、支払ったコンサルティング料の取戻しにも成功しました。

患者から根も葉もないクレームを入れられ、あるクリニックの先生は非常に困っていました。何度も電話をかけてくる、窓口で怒鳴りちらす行為をするので、先生は自分に非はないにもかかわらず、何度も謝罪をしたのですが、それでもクレーム電話は収まりませんでした。そこで先生から弁護士に何とか止めてもらうよう依頼が来ました。弁護士は、この患者に内容証明郵便で警告書を出し、執拗に電話をかけてきたり、窓口で怒鳴り散らす行為を繰り返すなら、業務妨害罪で告訴する旨を伝えたところ、この患者も観念し、以降ハラスメントはなくなりました。

Ⅳ 医療機関における顧問弁護士のサポート内容

次に「顧問弁護士の仕事」という観点から、どのようなサポートをしてもらえるかを解説します。ただし対応できる内容は法律事務所によって異なる場合もあるので、複数の事務所に相談したうえで契約先を決めてください。

1 患者やご家族とのトラブルへの対応

顧問弁護士は、患者やその家族とのトラブルへの対応が可能です。医療ミスによる対応に加えて、債権回収やモンスター患者への法的措置など幅広い業務をサポートします。医療機関側が不当に重い責任を負わず、円満に解決するのが顧問弁護士の役割です。

2 スタッフとのトラブルへの対応

スタッフ同士で揉め事が起こった場合、スピーディーに解決するうえでも顧問弁護士は欠かせません。特にこのようなトラブルでは、内部調査がカギを握ります。顧問弁護士が内部調査をしっかりと行い、スタッフは自分の仕事に集中できる環境をつくります。

3 厚生局対応

医療機関側が意識していても、厚生局の監査で不備が見つかることもあります。そのため監査が始まる前に、専門的な知識を持っている第三者からのアドバイスが必要です。顧問弁護士は打ち合わせに参加しつつ、実際の監査でも細かく対応を行います。

4 法令遵守のサポート

医療計画の策定は、医師からの十分な説明と患者の同意をもとに行わないといけません(インフォームドコンセント)。ほかにも医療機関は、さまざまな法律を押さえる必要があります。責任者が刑事罰および損害賠償責任を負わないよう、顧問弁護士はしっかりとサポートします。

5 医療機関の経営支援

顧問弁護士を雇う際には、経営に強い人を選ぶのがおすすめです。経営も兼任している医師は、医療だけではなく承継問題や関係機関への対応など数々の業務を抱えます。顧問弁護士は過去の事例も参考にしながら、経営に関するアドバイスを徹底して行います。

6 その他の法的サポート

医療機関は、介護保険法や児童福祉法など「福祉」に関する法律も押さえなければなりません。また介護や小児医療については、国から受けられる助成金および補助金も把握することが大切です。顧問弁護士は国の制度も含めて、医療機関に情報共有します。

Ⅴ 顧問弁護士の料金プラン

青山東京法律事務所では、顧問弁護士の依頼において3つの料金プランを設定しています。

コース対応業務執務時間
5万円コース・簡単な契約書のレビュー(2本)
・電話やメール相談(上限2本)
2時間
10万円コース・簡単な契約書のレビュー(4本)
・電話やメール相談(2〜4本)
4時間
20万円コース・簡単な契約書のレビュー(8本)
・電話やメール相談(4〜8本)
8時間

それぞれのプランの内容を説明しましょう。

5万円コース

最も安価なプランが5万円コースです。執務時間は短時間となりますが、契約書のレビューや電話・メール相談に対応します。また着手金の割引は10%で設定しています。試しに顧問弁護士を配置しようと考えている会社におすすめです。

10万円コース

10万円コースでは、契約書のレビューや電話・メール相談の上限がそれぞれ増加します。着手金の割引も20%となり、3営業日以内に対応できます。費用を抑えつつも、スピーディーな解決を求めている会社向けのサービスです。

20万円コース

20万円コースは、じっくりと顧問弁護士のサービスを受けられるのが強みです。対応も2営業日以内と、10万円コースよりもさらに素早く取り掛かります。また着手金の割引は30%です。サービスの質を重視されている会社は、ぜひ検討してみてください。

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